台湾の会社設立完全ガイド | メリット・費用・手続きの方法などを徹底解説

Hikaru Osaka

台湾進出を検討する中で、「会社設立の方法や流れを知りたい」、 「台湾での法人設立の具体的なメリットや費用相場がわからない」、このような悩みをお持ちではありませんか?

台湾は日本からのアクセスも良く、法人税率の低さなどから魅力的な進出先と言えます。しかし、手続きは複雑で、独自の要件も少なくありません。

そこで本記事では、台湾での会社設立を完全ガイドします。具体的には法人設立のメリット・デメリット、会社形態の選び方から、設立に必要な7つのステップ、費用までを網羅的に解説します。

目次 🔖

※本記事の情報は2025年11月11日時点の情報を参照しています。そのため、この内容が正確または、最新であることを表明または保証しません。また、本記事の内容は、あくまで参考情報として作成されています。専門的な意見・アドバイスが必要とされる場合、ご利用のサービスプロバイダーやその他の専門家にお問い合わせください。

台湾で会社を設立するメリット・デメリット

台湾は、安定したビジネス環境や日本からの地理的な近さなどから、日本企業にとって人気の進出先です。

台湾で会社を設立するメリット

台湾での会社設立には、主に以下のメリットが挙げられます。

  • 日本からのアクセスとアジア進出: 東京から約4時間という近さに加え、中国や東南アジア市場への地理的・文化的な足がかりとして最適です。1
  • 親日国で日本語堪能な人材が多い:親日度が高く、日本語が話せる人材も豊富です。初めての海外進出でも、言語や文化の壁を比較的低く抑えられます。
  • 法人税率が日本よりも低い:台湾の法人税率は原則20%と、日本よりも低い水準に設定されています。条件によっては免税措置も適用されます。2+3
  • 整備されたビジネス環境:台湾政府は外国投資を奨励しており、特定の戦略的産業(グリーンエネルギー、AI関連など)への投資には税制優遇や補助金が提供される場合もあります。そのため、ITやスタートアップ市場としても成熟しています。4

台湾で会社を設立するデメリット・注意点

台湾進出を検討する際には、以下の課題やデメリットも留意しなくてはなりません。

  • 市場規模の限界:台湾の人口は約2,300万人と市場規模が限定的なため、台湾単体での爆発的な成長よりも、アジア展開の拠点としての位置づけが重要になります。5
  • コストの急上昇と人材不足:経済成長や少子高齢化により、人件費や物価は上昇傾向にあります。かつてのような「低コストな進出先」というメリットは薄れつつあります。6+7
  • 就労ビザ取得・更新の厳格化:台湾では近年、就労ビザの取得が厳しくなっています。特にビザの更新には、売上要件などのクリアが必要です。8+9
  • 政治的・地政学的リスク:対中関係による政治的リスクや国際情勢の変化が、ビジネス環境に影響を与える可能性は否定できません。10

台湾で法人を設立する際の会社形態

台湾に進出する際の会社形態は、主に「現地法人」「支店」「駐在員事務所」の3つに分けられ、営業行為を行うかどうかが、最初の選択ポイントになります。日本企業が現地で会社設立(現地法人)する場合、多くは股份有限公司(株式会社)を選択します。11

法人格の有無営業行為の可否納税義務法的責任の所在日本本社との損益通算主な設立の目的
現地法人あり可能あり(現地単体)現地法人のみ不可本格的な事業展開
支店なし

(本社と同一法人格)

可能あり本社に及ぶ可能特殊業種、赤字が予想される場合
駐在員事務所なし不可なし本社に及ぶ-市場調査、連絡業務

(※2025年11月11日時点の情報を参照しています。)

台湾の会社設立で必要な準備(要件・書類)

台湾の会社設立における事前準備では、基本要件と必要書類を確認しておく必要があります。

会社設立の基本要件

台湾で現地法人を設立する際に最低限必要となる主な要件は、以下の通りです。12

  • 会社名(商号):中国語(繁体字)での表記が必須です。使用する名称の予備審査が必要で、候補を3〜5個用意することが推奨されます。支店・駐在員事務所の場合は日本本社と同じ名称の使用が必須です。
  • 資本金:法的な最低規定は撤廃されましたが、会社登記の際に公認会計士の監査報告が必要です。13
    ※これにより、事実上は約50万台湾元(TWD)(約250万円)以上が必要とされることが一般的です。
  • 本店所在地:台湾国内に登記住所が必要です。賃貸借契約書や大家の同意書、固定資産税納税書のコピーなどが必要です。初期にはバーチャルオフィスを利用することも可能ですが、法人登記が可能か事前に確認が必要です。
  • 役員構成:有限公司は取締役1名から、股份有限公司は取締役1名と監査役1名から設立が可能です。現地資本を入れる必要はなく、100%自己資本の会社を持つことができます。11
  • 営業項目:日本の定款にあたる業務内容を選択し、申請書に記載します。医療器具や人材派遣などの特殊項目は別途審査や資格要件が必要です。

(※2025年11月11日時点、1台湾元=5円 の為替レートを元に計算しています。)

会社設立に必要な主な書類

会社設立(現地法人)の申請手続きには、多くの場合、台湾の在外機関(台北経済文化代表処など)で査証(認証)を受けた書類が必要です。11+14

  • 査証された書類
    • 株主が法人の場合:登記簿謄本を査証した書類。
    • 株主が個人の場合:委任状を査証した書類。
  • 身分証明書コピー:取締役、監査役、経理人(実際のマネージャー)のパスポートコピー、または日本の住所などが明記された身分証のコピー。
  • 本店所在地関連書類:登記住所の証明書(賃貸契約書または所有権証明書)、大家の同意書、固定資産税納税処のコピー。
  • 登記申請関連書類:会社名称および営業項目調査申請表(予約承認書)、会社定款のコピー、公認会計士監査報告書、発起人/取締役会議事録のコピー、会社設立登記表2通など。
  • 銀行口座関連書類:法人の代表者(負責人)の身分証明2種類(パスポート、居留証など)、会社登記簿コピー、印鑑1セット(会社名と代表者姓名)

台湾で会社を設立する際の手続き【7つの手順】

ここでは、最も一般的な進出形態である現地法人設立の手続きを、主なステップに分けて解説します。11+14+15

ステップ1:会社名の予約申請

使用したい中国語(繁体字)の会社名について、経済部工商カウンセリングセンターなどで予備審査を行います。既存の会社名と重複していないか確認するため、申請時には3~5個の候補名称を用意しておくことが推奨されます。会社名が決定すると、保留期間が与えられます。支店や駐在員事務所の場合、日本本社と同じ会社名を利用する必要があります。

ステップ2:営業許可の申請(該当する場合)

会社の業務内容(営業項目)を選択し、申請書に記載します。特殊な業種(金融、医療器具、人材派遣など)は、会社設立時に別途審査を受け、資格や資本金の条件を確認する必要があります。

ステップ3:外国人投資認可(FIA)の申請

外国人または外国法人が台湾に法人を設立する場合、経済部投資審議委員会(MOEA Investment Commission、経済部投資審議司とも表記されます)へ外国人投資認可(FIA:Foreign Investment Approval)を申請し、許可を得る必要があります。申請時には、会社の事業活動、事業計画、売上高推計額、台湾で雇う従業員数などを記載した事業計画書などを提出します。

ステップ4:資本金の送金と審査

FIAの予備審査完了後、一般の銀行に「○○会社準備室」という名義で口座を開設します。この口座開設の際、会社の代表取締役(負責人)が実際に台湾を訪問する必要があります。FIA許可の公文書が届いたら、その内容に沿って本国から資本金を送金します。送金到着後、銀行の承認を得た公文書正本と送金受領書を回収し、再び政府機関へ提出して資本金審査を受けます。16

ステップ5:会社設立登記の申請

資本金が着金し、政府機関による資本金審査が完了すると、いよいよ会社設立の公文書と登記簿を手にします。これにより、台湾の会社としての「統一編號」(会社識別番号)が決定します。資本金の額によって申請先が異なります。(例:払込済資本金5億台湾元以上は経済部商業発展署、未満は地方政府など。)

ステップ6:税籍番号の登録

会社設立後、速やかに管轄の国税局に代表取締役が出向き面談を行います。この面談で業務内容などを説明し、税籍登録を行い、売買業務に使用する統一発票(インボイス)を取得します。多くの場合、ステップ5で付与された「統一編號」がそのまま税籍番号としても使用されます。17

ステップ7:銀行口座の開設

会社設立登記が完了した後、ステップ4で開設した「○○会社準備室」名義の口座を、正式な会社名義の法人アカウントへ変更する手続きを銀行で行います。この手続きの際も、代表者本人が銀行へ出向く必要があります。


台湾で会社を設立する際にかかる費用

台湾での法人設立には、資本金に加え、約30万~60万TWD(約150万〜300万円)の初期費用が目安となります。コストは大きく「法定費用(実費)」と「専門家への依頼費用」に分類されます。18

目安金額概要
最低資本金50万TWD以上

(約250万円以上)

法的な最低規定はありませんが、ビザ取得や口座開設の実務上で必要とされる目安額です。
専門家・代行費用25万〜50万TWD

(約125万〜250万円)

設立登記代行、就労ビザ申請代行、公認会計士による資本金監査費用などの合計目安です。
行政手続き実費約1万TWD

(約5万円)

会社名調査(300元)、登記手数料(1,000元)、印鑑作成、ビザ申請実費などの合算です。
資本金の送金実費日本からの海外送金手数料や為替手数料両替コストが発生します。19~21

(Wiseなどの海外送金サービスで節約可能。)

(※2025年11月11日時点、1台湾元=5円 の為替レートを元に計算しています。)


台湾での会社設立におけるおすすめの法人口座

台湾で法人口座を開設する際は、主に「日系銀行」と「台湾の銀行」の2択となります。一般的に設立時の資本金送金は「日系銀行」を使い、会社設立後に日常業務用の「台湾の銀行」の口座を開設し、これらを併用するケースが一般的です。

日系銀行

台湾での会社設立において、日系銀行でおすすめの法人口座には、以下の銀行が挙げられます。

  • みずほ銀行22
  • 三菱UFJ銀行23
  • 三井住友銀行24

これらの銀行は台湾に支店を持ち、日本からの資本金送金手続きがスムーズです。ただし、台湾国内の支店数は限られます。また、海外送金を行う際には、着金までに時間を要したり、送金コストが高くなりやすい点には注意が必要です。

台湾現地の銀行

現地(台湾)の銀行では、以下の銀行がおすすめです。

  • 中國信託商業銀行(CTBC Bank)25
  • 國泰世華銀行(Cathay United Bank)26
  • 台新銀行(Taishin Bank)27
  • 玉山銀行(E.SUN Bank)28
  • 台北富邦銀行(Taipei Fubon Bank)29

これらの銀行は台湾国内の支店・ATMが多く、現地取引やネットバンク機能に優れています。ただし、口座開設時に代表者(董事長)の訪問が必須で、中国語が基本です。


まとめ

台湾での会社設立は、日本からの近さや低い法人税率など多くのメリットがありますが、独自の商習慣や厳格化するビザ要件などの注意点も存在します。

進出形態としては「現地法人(股份有限公司/有限公司)」が一般的で、設立には約2~3ヶ月、準備する資本金は実務上50万TWD以上が目安となります。設立手続きは、会社名の予約から始まり、外国人投資認可(FIA)、資本金の送金、設立登記、税籍登録といったステップを踏む必要があります。


台湾の会社設立に関するよくある質問

台湾での会社設立にかかる期間はどれくらいですか?

一般的に約2〜3ヶ月が目安です。ただし、特殊な業種で別途許認可が必要な場合や、申請書類に不備があった場合は、期間が延びる可能性があります。

台湾の会社設立に最低資本金はいくら必要ですか?

法律上の最低資本金制度は撤廃されていますが、就労ビザ取得や運転資金を考慮し、実務上は最低でも50万TWD以上を準備するのが一般的です。

台湾で会社を設立するならどの会社形態が良いですか?

事業目的によります。本格的な営業活動を行う場合、日本企業は「股份有限公司(株式会社)」または「有限公司(有限会社)」の現地法人を選ぶのが一般的です。市場調査や連絡業務のみであれば「駐在員事務所」という選択肢もあります。

※本記事の情報は2025年11月11日時点の情報を参照しています。そのため、この内容が正確または、最新であることを表明または保証しません。また、本記事の内容は、あくまで参考情報として作成されています。専門的な意見・アドバイスが必要とされる場合、ご利用のサービスプロバイダーやその他の専門家にお問い合わせください。


ソース
  1. 東京→台北行きの格安航空券・飛行機・LCC予約|Trip.com
  2. 税制 | 台湾 - アジア - 国・地域別に見る - ジェトロ
  3. 法人課税に関する基本的な資料 : 財務省
  4. 外資に関する奨励 | 台湾 - アジア - 国・地域別に見る - ジェトロ
  5. アジアの国別人口(2025年) - ワールドメーター
  6. 2025年1月から最賃引き上げ(台湾:2024年11月)
  7. 人口推計を発表、2025年以降、超高齢社会になると予測(台湾) | ビジネス短信 ―ジェトロの海外ニュース
  8. 外国人就業規制・在留許可、現地人の雇用 | 台湾 - アジア - 国・地域別に見る - ジェトロ
  9. Q3-2.外国人が台湾拠点での就業に要する就労許可を取得方法について教えてください。
  10. 在日中国大使館が「台湾問題と中日関係」座談会開催
  11. 外国企業の会社設立手続き・必要書類 | 台湾 - アジア - 国・地域別に見る - ジェトロ
  12. Doing business in Taiwan
  13. 資本金について | LinkBiz台湾 会社設立専門サイト
  14. 外資に関する規制 | 台湾 - アジア - 国・地域別に見る - ジェトロ
  15. 現地法人(会社、有限責任組合)および支店設立手続き
  16. 中華民国台湾投資環境案内 2022 年版 安侯建業聯合会計師事務所のご紹介
  17. Q8-3.統一発票および統一番号について教えてください。 <統一発票> 台湾はインボイスを仕入
  18. 設立費用について | LinkBiz台湾 会社設立専門サイト
  19. 外国関係手数料のご案内
  20. 外為手数料 | 三菱UFJ銀行
  21. 外国為替関係主要手数料一覧表(法人のお客さま用)
  22. みずほ銀行 台湾拠点
  23. 三菱UFJ銀行 台北/高雄支店
  24. SMBC Taiwan | 三井住友銀行台北分行
  25. 中國信託へようこそeTrust インターネットバンキング
  26. 企業金融- 國泰世華銀行- Cathay United Bank
  27. 法人金融- 台新銀行
  28. 日本支店 - 玉山銀行
  29. 台北富邦銀行-法人金融
  30. Wise Business: 国際的な法人アカウントでビジネスを成長
  31. 海外ビジネスデビットカード - 国際的な支払い - Wise
  32. Wise Businessのシンプルな手数料
  33. 一括送金について | Wiseヘルプセンター
  34. Wiseアカウントと会計ソフトウェアの接続 | Wiseヘルプセンター

*最新の手数料に関する情報は、お住まいの地域の利用規約およびサービスの利用条件をご確認いただくか、Wiseの手数料ページをご覧ください。これは一般的な情報提供を目的としたものであり、Wise Payments Limitedまたはその子会社、関連会社による法律、税務、その他の専門的なアドバイスを意味するものではありません。また、ファイナンシャルアドバイザーやその他の専門家によるアドバイスの代わりになるものではありません。



当社は明示的または黙示的にかかわらず、この内容が正確、完全または最新であることを表明または保証しません。

国境のない金融

詳しくはこちら

役立つ情報、ニュース、お知らせ