アラブ首長国連邦・ドバイの法人税について解説:ドバイでの企業における税金の注意点と対策

Hikaru Osaka

アラブ首長国連邦(UAE)で国際的に事業を展開・成功させるためには、法人税制度の理解が欠かせません。本ガイドでは、UAEの法人税制度の概要を整理し、コンプライアンス対応から主要な規制まで、事業運営に必要なポイントを分かりやすく解説します。

また、記事の最後では、海外取引を行う企業向けに、国際的な支払い・資金管理の選択肢としてWise(ワイズ)法人アカウントもご紹介します。

Wiseでは、1つのアカウントで40種類以上の通貨を管理でき、為替手数料の上乗せがない実勢レート(ミッドマーケットレート)で海外送金や両替が可能です。これにより、国際的な資金管理にかかるコストを効率的に抑えることができます。

また、米ドルや英ポンド、ユーロ、シンガポールなど8種類以上の通貨で現地口座情報も取得できるため、日本にいても手数料なしで現地通貨を専用の通貨口座で受け取ることが可能です。

Wise(ワイズ)法人アカウントについて 💡

※本記事の情報は2025年8月19日時点の情報を参照しています。そのため、この内容が正確または、最新であることを表明または保証しません。また、本記事の内容は、あくまで参考情報として作成されています。専門的な意見・アドバイスが必要とされる場合、フィナンシャルアドバイザーやその他の専門家にお問い合わせください。

アラブ首長国連邦の法人税率

アラブ首長国連邦の法人税率

アラブ首長国連邦(UAE)では、2023年6月1日以降に開始する会計年度から、企業の純利益に対して連邦法人税が導入されました。¹

標準法人税率は、課税所得がAED 375,000を超える部分に対して9%が適用され、それ以下の課税所得には0%が適用されます。この段階的な税率構造は、中小企業やスタートアップ企業の負担軽減を目的としています。²

法人税はすべての首長国に適用され、連邦法に基づいて運用されています。連邦税務庁(FTA)が法人税の管理・徴収・執行を担っています。フリーゾーンで事業を行う企業は、一定の要件を満たす場合、税制上の優遇措置(適格所得に対する0%課税)を受けられる可能性があります。¹ᐩ³ᐩ⁴

アラブ首長国連邦での法人税の支払い方法

UAEで法人税の対象となる企業は、会計年度終了後9か月以内に法人税申告書を提出する必要があります。FTAは、登録・申告・納付を行うためのオンラインポータルを提供しています。³ᐩ⁴

法人税はUAEディルハム(AED)で支払う必要があり、機能通貨がAED以外の場合は換算が必要です。

例えば、年間売上がAED 150万、利益率10%で課税所得がAED 150,000の企業の場合:

UAEの法人税率に基づくと:³

  • 課税所得AED 375,000までは0%。
  • 課税所得AED 375,000を超える部分には9%。

この場合、企業の課税所得AED 150,000はAED 375,000の閾値を下回ります。したがって、納税額は以下のようになります。

AED 150,000 × 0% = AED 0

一方、課税所得がAED 500,000の場合:

  • AED 375,000の0% = AED 0
  • AED 125,000(AED 500,000 - AED 375,000)の9% = AED 11,250

合計納税額 = AED 11,250

FTAは監査や調査を通じて税務コンプライアンスを監視しています。企業は正確な会計記録を保持し、期限内に申告・納税を行うことが重要です。

UAEに進出する国際企業にとって、現地通貨での資金管理や税金支払いは、適切な金融ツールを活用することでより容易になります。Wise(ワイズ)法人アカウントのようなプラットフォームは、国際企業が多通貨口座で資金を管理し、高い手数料を発生させることなく法人税やその他の現地費用を支払うプロセスの実現に役立ちます。

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UAEでの税務コンプライアンス

UAEの税務規制を遵守するために、企業は以下の点に注意する必要があります。

  • 課税対象の確認: 自社が法人税の対象となるか、また適用税率(0%または9%)を確認します。あわせてVAT登録の必要性も確認します。
  • FTAへの登録: FTAのeサービス(eservices.tax.gov.ae/#/Logon)で納税者登録を行います。
  • 適切な記録の維持: FTAの記録保持規則に従い、承認された会計ソフトウェアを使用して、正確かつ適切な会計記録を保管します。
  • 期限内の申告:
    • 法人税: 会計年度終了後9か月以内
    • VAT: 課税期間終了後28日以内
  • 最新情報の確認: 法改正を常に監視するか、認可されたアドバイザーと協力してペナルティを回避しましょう。

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UAEへの国際的な事業拡大

UAEへの国際的な事業拡大

UAEは、世界中の企業を引き付けるグローバルなビジネスハブとして確固たる地位を築いています。

2025年の1人当たりGDPは約49,500ドル、経済成長率は約4%と予測されており⁵、比較的高所得な経済圏の一つとされています⁶。一方で、GDPの75%以上を非石油部門が占めており⁷、経済の多角化が着実に進んでいます。こうした構造は、景気変動への耐性を高め、安定したビジネス環境の形成につながっています。

さらに、アジア・アフリカ・欧州を結ぶ要衝に位置するという地理的優位性により、企業は成長著しい市場へアクセスしやすい環境にあります。また、インド、イスラエル、インドネシア、トルコなどとの包括的経済連携協定(CEPA)を通じて貿易関係を強化しており、2024年にはCEPA締結国との非石油貿易が42.3%増加しています⁷。

加えて、UAEはインフラ、フリーゾーン、物流分野への大規模な投資を進めており、国際的な接続性の向上が評価されています。比較的低い法人税率、政治的安定性、整備された銀行システム、各種インセンティブ制度などが相まって、UAEは世界でもビジネスを行いやすい国の一つとされています。国内には7つの首長国にまたがり40以上のフリーゾーンが存在し、一定の条件下で法人税0%⁸、100%の外資所有、利益の自由な本国送金⁹といった優遇措置が提供されています。

本土(オンショア)においても、法人税率は国際的に見て競争力があります。課税所得がAED 375,000までは0%、それを超える部分に対して9%が適用されます⁶。企業は専門的な税務サービスを活用することで、コンプライアンス対応を効率化し、業務の最適化を図ることができます。

UAEで会社を設立する際の一般的なステップは以下の通りです。

  • 市場機会を把握し、ビジネス環境を理解するための市場調査を実施する
  • 事業分野を選定し、競合状況や規制要件を確認する
  • ターゲット市場を明確にし、現地の商習慣や文化に適応する
  • 法人形態および設立地域(本土またはフリーゾーン)を選択する
  • 事業計画を策定する
  • 商号を登録し、関係当局の承認を取得する
  • 定款(MOA:Memorandum of Association)を作成する
  • 銀行口座を開設する
  • 会計・記録管理体制を整備する

UAEでの会社設立

UAEで事業を設立する際は、連邦および各首長国の行政サービスを統合した「Basher」などのオンラインプラットフォームを通じて手続きを進めることができます。このポータルを利用することで、事業ライセンスの取得や法人税登録などを一括して行うことが可能です。

UAEで事業体を設立する主な手順は以下の通りです。¹¹

  • 事業活動の選択: 製造業、商業、専門サービス、観光、農業などから事業内容を決定します。選択した活動に応じて、必要なライセンスの種類や規制が定まります。
  • 法人形態の選択: 有限責任会社(LLC)、公開株式会社(PJSC)、非公開株式会社(PrJSC)、パートナーシップ、単独事業体、フリーゾーン企業などから適切な形態を選択します。
  • オンラインでの商号登録: オンラインで商号を申請し、承認を取得します。
  • 初期承認の取得: 関係当局から事業開始に向けた基本的な承認を得ます。外国投資家の場合、追加の承認が求められる場合があります。
  • 定款等の作成: MOA(Memorandum of Association:定款)や、必要に応じてLSA(Local Service Agent:現地サービス代理人)契約を作成します。
  • 登録住所の確保: UAE国内の事業所在地を登録します。
  • ライセンス料の支払い: 必要な費用を支払い、正式に設立を完了します。

UAEにおいて適切な事業形態を選択することは、単なる形式的な手続きではなく、将来的な事業運営の効率性や税務負担に大きく影響します。法人税制度の導入やコンプライアンス要件の強化により、この選択の重要性は一層高まっています。¹²

UAEの主な事業形態

  • LLC(有限責任会社): 本土での事業活動が可能で、株主は通常1~50名。出資額の範囲で責任を負います。課税所得がAED 375,000を超える部分に対して9%の法人税が適用されます。
  • Free Zone Company(フリーゾーン企業): 外資100%所有が可能で、利益の本国送金も制限なく行えます。一定の条件を満たす場合、適格所得に対して0%の法人税が適用されますが、本土での直接的な取引には制限があります。
  • Sole Establishment(単独事業体): 個人による事業形態で、所有者が無限責任を負います。外国人が設立する場合、LSA契約が必要となるケースがあります。
  • Partnership Company(パートナーシップ会社): 一般パートナーシップや有限パートナーシップがあり、形態によって外国人の出資可否や責任範囲が異なります。

多くの企業は、登録手続きの適正化や期限遵守、税務計算の正確性を確保するために、UAEの税務・法務アドバイザーと連携しています。世界的に税制環境が変化する中でも、UAEの比較的低く安定した法人税制度は、引き続き海外投資家にとって魅力的な要素となっています。

国際法人税のベストプラクティス

複数の国・地域で事業を展開する企業にとって、法人税対応には計画的な対応が不可欠です。UAEのような国で事業を行う際に考慮すべきポイントは以下の通りです。

  • 各国の税法遵守: 事業を展開するすべての国で適切に法人登録を行い、現地の税務規制を継続的に把握することが重要です。
  • 租税条約(DTT)の活用: 二重課税を回避するため、関連国間の租税条約を理解し活用します。UAEは多くの国と租税条約を締結しています。
  • 正確な財務記録の維持: 整理された会計記録は、正確な申告と税務リスクの低減に不可欠です。監査対応の効率化にもつながります。
  • 専門家の活用: 各国の規制に精通した税務専門家の支援を受けることで、コンプライアンス確保と税務最適化を図ることができます。

Wise(ワイズ)法人アカウントで事業運営での外貨管理をシンプルに

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新たな国で事業を展開する際には、法人税対応に加えて、多通貨の資金管理や為替リスクへの対応も重要な課題となります。

Wise(ワイズ)法人アカウントは、UAEを含む海外展開において、現地通貨での資金管理を効率化するためのソリューションの一つです。

Wise法人アカウントでは、以下のようなサービスが利用できます。

【Wise法人アカウントの特徴】

  • グローバルな法人アカウント:個人アカウントの機能に加え、請求書管理などグローバルなビジネスに便利な機能を搭載したアカウントです。
  • 無料でアカウント開設:アカウントは無料で開設でき、月額料金や維持費もかかりません(※)。
  • 低コストな海外送金:お得な為替レート手数料で、一括で最大1000件まで送金することができます。
  • 8種類以上の現地口座情報:アメリカ、ヨーロッパ、オーストラリア、シンガポールを含む8ヶ国以上の現地口座情報が取得可能。これにより、滞在国内での送金もよりお得に。
  • 経費用のデビットカード:メンバーごとに法人デビットカードを発行して経費の支払いに利用することができます。
  • チームメンバーの管理:各従業員のアクセス管理が可能です。
  • 支払いを即時完了:請求書・サプライヤー・チームへの支払いも即時完了(支払いの50%以上が20秒以内、95%が24時間以内に着金※)
  • 高額送金も可能:一度に100万円超の送金ができ、最大1億5000万円まで送金可能です(別途書類をお願いする場合があります)。
  • 日本国内の資金移動業者として登録・認可:ワイズ・ペイメンツ・ジャパン株式会社は第一種・第二種資金移動業者として関東財務局から登録・認可を受けているので、法人でも安心してご利用いただけます。
  • 日本語スタッフによるカスタマーサポート:質問や問題がある場合は、カスタマーサポートスタッフに日本語で相談できます。

※現地口座情報を含むアカウントのアップグレードには3000円の手数料(1回限り)がかかります。
※着金速度については2025年第1四半期時点のデータを参照しています。
※WIseのアカウントを開設された地域によってサービス内容や条件が異なるため、アカウントを保有されている地域のウェブサイトやヘルプセンターを必ず確認するようにしましょう。

Wiseを活用することで、国際送金や決済をよりシンプルかつ効率的に行うことが可能になります。

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※Wiseにご登録されている国の住所によって利用できるサービス内容が異なります。そのため、ご利用いただけるサービスについては、お住まいになられている国のサイトを必ず確認するようにしましょう。


UAEの法人税についてよくある質問

UAEで法人税の対象となるのは誰ですか?

天然資源の採掘事業(各首長国レベルで課税)を除き、UAEで事業活動を行う法人および一定の外国法人が法人税の対象となります。継続的または反復的に事業活動を行う場合、外国企業や個人も課税対象となる可能性があります。¹³

フリーゾーン企業はUAE法人税の対象ですか?

はい、フリーゾーン企業も法人税の登録およびコンプライアンス義務があります。ただし、適格フリーゾーン法人として一定の条件を満たす場合、適格所得に対して0%の税率が適用されます。

UAEの法人税規制に違反した場合のペナルティはどのようなものですか?

違反内容に応じて罰金が科される可能性があります。例えば、記録不備、申告遅延、未納などが対象となります。場合によっては未納税額に対して追加的なペナルティ(遅延金等)が発生することもあります。¹⁴

アラブ首長国連邦で法人税を登録するプロセスはどのようなものですか?

UAEで法人税の対象となる企業は、連邦税務庁(FTA)に登録することが義務付けられています。FTAは、納税者が登録手続きを行うためのオンラインサービスを提供しています。登録後、企業はこれらのオンラインプラットフォームを利用して、年次法人税申告書を提出し、支払いを行うことができます。

アラブ首長国連邦で法人税を登録するプロセスはどのようなものですか?

法人税の対象となる企業は、連邦税務庁(FTA)のオンラインプラットフォームを通じて登録する必要があります。登録後は、同システム上で申告および納税を行います。

アラブ首長国連邦の法人税に関して避けるべき一般的な落とし穴は何ですか?

代表的なリスクは、税務規制の不遵守によるペナルティです。正確な会計記録の維持や期限内申告を徹底することが重要です。また、国際企業にとっては租税条約を適切に活用しないことで、不要な税負担が発生する可能性にも注意が必要です。

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※本記事の情報は2025年8月19日時点の情報を参照しています。そのため、この内容が正確または、最新であることを表明または保証しません。また、本記事の内容は、あくまで参考情報として作成されています。専門的な意見・アドバイスが必要とされる場合、フィナンシャルアドバイザーやその他の専門家にお問い合わせください。


参考ソース:

  1. UAE Government Portal — Corporate Tax
  2. UAE Corporate Tax Guide
  3. Federal Tax Authority
  4. FTA Guide — Free Zone Persons
  5. IMF — United Arab Emirates Data
  6. GDP per Capita
  7. Reuters — Middle East News
  8. DMCC — Corporate Tax Support
  9. Ministry of Economy — Free Zones
  10. Khaleej Times — New Corporate Tax Announcement
  11. UAE Government Portal — Starting a Mainland Business
  12. UAE Business Structures Explained
  13. UAE Corporate Tax FAQ (PDF)
  14. CorporateTaxUAE — FAQs

情報源最終確認日:2025年8月19日


*最新の手数料に関する情報は、お住まいの地域の利用規約およびサービスの利用条件をご確認いただくか、Wiseの手数料ページをご覧ください。これは一般的な情報提供を目的としたものであり、Wise Payments Limitedまたはその子会社、関連会社による法律、税務、その他の専門的なアドバイスを意味するものではありません。また、ファイナンシャルアドバイザーやその他の専門家によるアドバイスの代わりになるものではありません。



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Hikaru Osaka
2026年5月12日 8分で読めます

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