ゆうちょ銀行で海外から日本への送金を受け取る方法は?隠れた手数料も

Yumiko Kijima

「海外からの送金をゆうちょ銀行で受け取りたいけど、手数料はいくらかかるんだろう?」「送金人に何を伝えればいいのか、よくわからない…」

そんな悩みはありませんか?

この記事では、ゆうちょ銀行で海外送金を受け取る際にかかる本当の手数料(為替レートに隠れたコストも含む)、送金人に伝えるべき正確な情報、そして意外と知らない注意点を、誰にでも分かるように解説します。

さらに、仲介銀行手数料などを節約し、お得に海外送金を受け取る選択肢として「Wise(ワイズ)」についても紹介。海外送金の受け取りに関して、少しでも悩んでいる人はぜひ最後までご覧ください。

Wise(ワイズ)アカウントについて 💡

Table of contents

ゆうちょ銀行で海外からの送金を受け取るのにかかる手数料

銀行によっては、海外からの送金を受け取る際に受取手数料を徴収しているところもあります。ですが、ゆうちょ銀行では海外送金受取手数料は無料です。

しかし、これは完全に手数料なしで海外送金を受け取ることができるという意味ではありません。海外送金の受け取り時には2つの手数料が発生します。これらについて詳しく見ていきましょう。

仲介銀行手数料 1

送金先から一度ドイツ銀行を仲介して、そこからゆうちょ銀行の口座にお金が届く仕組みになっています。

送金元口座  → ドイツ銀行(ドイツもしくはアメリカ支店)→ ゆうちょ銀行の受取口座

この中継地点であるドイツ銀行が徴収するのが仲介銀行手数料(コルレス銀行手数料ともいう)です。受取人は送金額から仲介銀行手数料を引いた額を受け取ることになります。

通常10ドル(米ドル建て送金の場合)もしくは5ユーロ(ユーロ建て送金の場合)と定められています(100ドル以上、100ユーロ以上の送金を受け取る場合)²。それよりも少ない金額を受け取る場合の仲介銀行手数料は不明です。

関連ページ 💡 コルレス銀行とは?外国送金のわかりづらい手数料を徹底解説!

為替手数料

ゆうちょ銀行が受け取ることができる海外送金は、米ドル建てもしくはユーロ建てのいずれかです。送金額がゆうちょ銀行に届いたら、これが日本円に両替されて口座に振り込まれます。この際に使われるのはGoogleなどで検索したときに表示される実際の為替レートではなく、ゆうちょ銀行が独自に定めるレートとなっています³。

これは一体どういう意味なのでしょうか。具体的な例を見てみましょう。

例えば、実際の為替レートが1ドル=148円だったとしましょう。対してゆうちょ銀行の為替レートは為替手数料2円を含む1ドル=146円だとします。⁴
この場合、同じ500ドルを受け取ったとしても、日本円に換算した際に受取額が変わります。

【1ドル=148円の場合】500ドル=74,000円 
【1ドル=146円の場合】500ドル=73,000円 

(※上記はあくまで例であり、ゆうちょ銀行が定める為替レートは銀行に確認する必要があります)

つまりこの場合、1,000円分を為替手数料として支払っていることになります。為替手数料は一見すると気が付きにくいものですが、送金額を左右するものになるので注意する必要があります。

ゆうちょ銀行に限らず、銀行は一般的に為替手数料を上乗せした独自の為替レートを使用して海外送金を行っています。銀行での海外送金には、送金手数料や仲介銀行手数料だけではなく、為替レートにも手数料が含まれていることを理解しておきましょう。

ゆうちょ銀行で海外からの送金を受け取る方法

海外からゆうちょ銀行の口座で送金を受け取るには、まずご自身の口座情報を正確に把握し、海外の送金人に伝える必要があります。

ゆうちょ銀行の口座番号を確認する方法

海外送金の受け取りに不可欠なのが、ご自身の口座情報です。ゆうちょ銀行の口座は「5桁の記号」と「最大8桁の番号」で構成されています。これらの情報は、以下の方法で簡単に確認できます。2

  • ゆうちょ通帳アプリ
  • ゆうちょ銀行
  • ゆうちょのキャッシュカード

ゆうちょ通帳アプリ

スマートフォンの「ゆうちょ通帳アプリ」で、いつでもどこでも口座情報を確認できます。3

  • アプリにログインする
  • 画面右下の「メニュー」から「口座情報」へ進む
  • ご自身の記号・番号が表示される

海外の送金人に情報を伝える際も、アプリ画面をスクリーンショットしたり、テキストをコピーしたりできるので、間違いなく伝えられます。また、インターネットバンキングである「ゆうちょダイレクト」からでも同様に確認が可能です。

ゆうちょ通帳

ゆうちょ銀行の通帳でも、すぐに確認できます。

通帳の表紙をめくった見開きのページを見てみましょう。口座名義人であるご自身の名前などと一緒に、「記号」と「番号」が印字されています。

ゆうちょのキャッシュカード

キャッシュカードでも、口座情報の確認が可能です。

カードの表面に、「12345-12345678」のように5桁と最大8桁の数字が印字されています。これがあなたの口座の記号と番号です。

送金人に伝える情報

情報がまだ正しいかどうか、再度ご確認ください。

まずは、以下の情報を送金人に伝えましょう。情報が間違っていると送金が届かないなどのトラブルの原因になるので、しっかり確認することが重要です。4

項目内容
仲介銀行名

Intermediary Bank

米ドル(USD)受け取り

Deutsche Bank Trust Company Americas NY

ユーロ(EUR)受け取り

Deutsche Bank AG Frankfurt

仲介銀行コード

Intermediary Bank BIC(SWIFT Code)

米ドル(USD)受け取り

BKTRUS33

ユーロ(EUR)受け取り

DEUTDEFF

受取人取引銀行名

Beneficiary Bank

Japan Post Bank
受取人取引支店名

Branch

Head Office
受取人取引支店住所

Beneficiary Bank Address

3-1, Otemachi 2-chome, Chiyoda, Tokyo 100-8793, Japan
受取人取引銀行コード

Beneficiary Bank BIC (SWIFT Code)

8桁の場合:JPPSJPJ2

11桁の場合:JPPSJPJ2XXX

受取人取引銀行識別コード

Beneficiary Bank CHIPS UID

米ドル(USD)受け取り

427593

ユーロ(EUR)受け取り

不要

受取人口座番号

Payee Account Number

【総合口座への送金の場合】

記号(5桁)- 番号(最大8桁)すべてを記載。

例:11540-12345671

【振替口座への送金の場合】

記号(5桁)- 数字(1桁)- 番号(最大6桁)すべてを記載。

例:00100-0-100001

受取人口座名義

Name of Payee Account Holder

例:HANAKO YAMADA
受取人住所

Payee Address

例:4-2-8 Shibakoen, Minato-ku, Tokyo, Japan
受取人電話番号

Payee Telephone Number

例:090-123-4567

2025年9月18日時点の参照

これらの情報をもとに送金人が海外の銀行で送金手続きを行います。

ゆうちょ銀行で海外からの送金を受け取る際の注意点

国際郵便為替による受け取り

ゆうちょ銀行では、口座に直接海外送金を受け取る方法に加えて、国際郵便為替を利用することもできました²。これは小切手による送金と似ており、現金を為替証書に換えて送付する送金方法です。海外からの郵便為替を受け取ったら、それを窓口に持参し、本人確認の上で現金を受け取ります。

しかし最近は国際郵便為替の廃止が進んでいます。例えば、国際郵便為替証書による外国あての海外送金は、2019年12月30日をもって全ての取扱いを終了しています。また、2020年6月30日をもって全ての国際郵便為替による払い渡しも終了しました。5

法人口座は海外送金を受け取れない

ゆうちょ銀行は2020年3月31日をもって、法人口座等による外国向け・外国来の国際送金の取り扱いを終了しました(ゆうちょダイレクト、窓口)。つまり、ゆうちょの法人口座では海外からの送金を受け取ることができません。6

ゆうちょ銀行の問い合わせ先

ゆうちょ銀行で海外送金を受け取ることに関して不安な点や分からないことがあれば、以下に問い合わせましょう。7

【ゆうちょコールセンター】

  • 国内から 0120-108-420(通話料無料)
  • 海外から +81-50-3850-7788(通話料有料・案内は日本語)
  • 受付時間 平日 9:00~19:00、土・日・休日・12月31日 9:00~17:00

低い手数料で海外からの送金を受け取る:Wise(ワイズ)

ゆうちょ銀行で海外送金を受け取る際には手数料がかかります。しかしこの点「Wise(ワイズ)」を活用すれば、受け取り手数料を抑え、より多くの通貨で海外送金を受け取れる可能性があります。

そんな方におすすめなのが、海外送金に特化したサービスWise(ワイズ)です。海外送金におけるWiseの特徴は、以下の通りです。8~11

【Wiseアカウントの特徴】

  • 海外送金の受け取り:海外の現地口座情報を使って、国内にいながら海外から手数料無料で支払いを受け取ることができます。
  • 多通貨の保有:40種類以上の通貨が1つのアカウントで保有できます。
  • 8種類以上の現地口座情報:アメリカ、カナダ、ヨーロッパ、オーストラリア、シンガポールを含む8ヶ国以上の現地口座情報が取得可能。これにより、滞在国内での送金の受け取りもよりお得に。
  • 外貨への両替:必要な時にオンラインで円を他通貨へすぐに両替することができます。
  • スマートな両替:事前に選択した為替レートで、自動的に両替を行うよう設定することができます。
  • 支払いリクエスト:Wisetag(QRコード)やリンクを使って簡単なお金のやりとりができます。

Wise(ワイズ)アカウントを開設する 🚀

Wise(ワイズ)で海外からの送金を受け取る方法

Wiseを使えば、海外からの送金を驚くほど簡単に、そしてお得に受け取ることができます。主な受け取り方法は2つ。あなたの状況に合わせて使い分けてみましょう。

口座情報を共有する

Wiseアカウントを開設すると、米ドル、ユーロ、英ポンドなど、主要10通貨以上のあなた専用の口座情報を無料で保有できます。これにより、その国に自分の銀行口座を持っているようなイメージでお金のやり取りが可能です。12

つまり、送金人はその口座情報を使って自国の銀行から国内送金をする感覚であなたにお金を送れるため、高額な海外送金手数料や仲介銀行手数料を支払う必要がありません。

口座情報の確認&送金依頼方法は以下の通り。

  • Wiseにログインし、ホーム画面で口座情報を取得したい通貨(例:米ドル)を選択します。
  • 「口座情報を取得する」をクリックすれば、送金人に伝えるべき情報がすべて表示されます。

表示された口座情報をコピーし、メールやメッセージアプリなどで送金人にそのまま送るだけで、送金依頼が完了します。

Wisetagでリクエストする

Wisetag(ワイズタグ)とは、Wiseのユーザー同士で簡単にお金のやり取りができる、あなた専用のユニークなユーザー名(例:@waiko-yamada)のことです。長い口座番号を教える必要がなく、SNSのアカウント名を伝えるような手軽さで送金を受け取れます。13

相手もWiseユーザーである場合は、このWisetagを使うのが最もスピーディーで簡単です。WisetagはWiseアプリやサイト内の支払いセクションで確認・設定ができます。一度設定してしまえば、その後ずっと同じタグを使い続けられます。

送金依頼を行う際には、あなたのWisetagを送金人に伝えるだけでOKです。相手はWiseアプリであなたのタグを検索するだけで、すぐにお金を送れます。

また、Wisetagを使って自分専用の「支払いリンク」を作成することも可能です。金額を指定したリンクを送れば、相手はリンクを開いて支払うだけなので、さらに間違いなく送金を受け取れます。

まとめ

Wise image

この記事では、ゆうちょ銀行での海外送金受け取りについて解説しました。受取手数料は無料ですが、送金人に伝えるべき情報が多かったり、仲介銀行手数料やゆうちょ銀行の為替レートに含まれる「隠れコスト」で、最終的な受取額が減ってしまったりする可能性がある点に注意が必要です。

もし、お得に海外から日本へ送金を受け取りたいなら、Wise(ワイズ)を検討してみてください。Wiseの強みである手数料が上乗せされていない実際の為替レートと、透明性の高い手数料により、送金にかかるコストを抑えられます。ちなみに、Wise経由でゆうちょ銀行の口座で受け取ることも可能です。

Wiseで海外送金を受け取る 🌏

海外送金の受け取りに関するよくある質問

Wise(ワイズ)からゆうちょ銀行への送金方法はなんですか?

Wiseを使ってゆうちょ銀行の口座で海外送金を受け取る方法は、2つあります。

  • 1つ目は、送金人がWiseからあなたのゆうちょ口座へ直接送金する方法です。
  • 2つ目は、あなたがWiseで取得した海外口座情報で一旦お金を受け取り、ご自身のゆうちょ口座へ資金を移す方法があります。

特に後者は、送金人が国内送金と同じように手続きできるため、手数料をさらに抑えられる可能性があります。

海外からの送金を受け取るとき税金はかかりますか?

海外送金の受け取り自体に直接課税はされませんが、そのお金の目的によっては所得税や贈与税の対象となる場合があります。例えば、海外での給与や事業収入は「所得」として確定申告が必要です。また、年間110万円を超える「贈与」には贈与税がかかる可能性があります。14

海外の銀行から送金を受け取る場合の限度額はいくらですか?

ゆうちょ銀行で海外からの送金を受け取る際に、明確に定められた限度額はありません。ただし、送金に関する限度額は存在します。(100 万円未満/回・200 万円以下/日・500万円以下/月)15 また、高額な送金の場合は法律に基づき、銀行が送金の目的などを詳しく確認します。そのため、追加の書類提出を求められたり、入金までに1ヶ月以上かかったりすることがあるため注意が必要です。大きな金額を受け取る予定がある場合、事前にゆうちょ銀行へ相談しておくと安心です。


ソース
  1. 国際送金のお受け取り(外国から日本への送金)
  2. 記号番号から振込用の店名・預金種目・口座番号を調べる-ゆうちょ銀行
  3. ゆうちょ銀行に振込をする際に必要な、店名・預金... | よくあるご質問
  4. 国際送金のお受け取り(外国から日本への送金)
  5. 国際送金の料金改定等について
  6. 国際郵便為替証書を換金することができますか。 | よくあるご質問 | 株式会社ゆうちょ銀行
  7. お問い合わせ-ゆうちょ銀行
  8. 世界中の通貨が使えるアカウント | 国境のない金融 | Wise 日本
  9. 海外旅行に便利なカード | お得に外貨が使えるカード
  10. Wiseアカウント:マルチカレンシー口座 | 外貨口座
  11. Wiseのシンプルな手数料
  12. Wiseの口座情報で資金を受け取る方法について
  13. Wisetagの使い方について | Wiseヘルプセンター
  14. No.4402 贈与税がかかる場合|国税庁
  15. ゆうちょの国際送金

*最新の手数料に関する情報は、お住まいの地域の利用規約およびサービスの利用条件をご確認いただくか、Wiseの手数料ページをご覧ください。これは一般的な情報提供を目的としたものであり、Wise Payments Limitedまたはその子会社、関連会社による法律、税務、その他の専門的なアドバイスを意味するものではありません。また、ファイナンシャルアドバイザーやその他の専門家によるアドバイスの代わりになるものではありません。



当社は明示的または黙示的にかかわらず、この内容が正確、完全または最新であることを表明または保証しません。

国境のない金融

詳しくはこちら

役立つ情報、ニュース、お知らせ